花マルブログ
関係ないこと?
とある中3の授業にて。
この日は「自分に関係のないこと」について考える内容でした。
授業の冒頭、原先生は少し前に注目された、
「自分に関係のないことに怒るのは時間が勿体ない」
という旨のツイートを紹介しました。
そのリプライには「好きなこと、好きな人のために行動する方が良い」
というようなコメントも寄せられていました。
では、「関係のないことに時間を使うこと」は必ずしも勿体ないことなのでしょうか?
また、自分には関係のない問題には関心を持たないことや、人を批判しないことは絶対に良いことなのでしょうか?
授業では次に、こんな例え話が紹介されました。
ある国では、右手にホクロがある人は収入の半分を納税することを課す法律があった。
その国の人口のうち、右手にホクロがある人口は全体の約10%である。
ここまで話を聞いた生徒たちが抱いた感想は、
「条件の該当者は嫌な気分になりそう」
「当てはまらない9割の人はホッとしてそう」
といったものでした。
この例え話には、続きがあります。
ある日、この法律の納税額を収入の半分から3/4に引き上げるという改案が出された。
政府は、この改案を成立するかどうかを国民の投票に委ねることにした。
選挙は終わり、投票の内訳は以下の通りであった。
改案に賛成した右手ホクロなしの人・・・30%
改案に反対した右手ホクロなしの人・・・10%
改案に反対した右手ホクロありの人・・・10%
棄権票 ・・・50%
こうして選挙の結果、賛成票と反対票は、3:2で改案は可決された。
「もし棄権票を選んだ人が、少しでも法律におかしさを感じて反対に投票していれば、この改案は無くなっていたかもしれません」
という言葉でこの話は締めくくられます。
ここで、話を最後まで聞いた生徒から
「棄権票が50%なんていくらなんでも高すぎない?」
という疑問が示されました。
実は、この棄権票の割合はそこまで高いものではないのです。
2020年に行われた東京都知事選の投票率は55%でした。
また、同年に行われた八王子市長選挙の投票率は31%です。
ある調査によると、日本人が選挙に行かない理由として、最も多いのは「自分が投票しなくても政治に影響はないと思うから」だそうです。
アメリカ公民権運動で活躍したキング牧師の「最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である」
という言葉が胸に刺さる人も多いのではないでしょうか。
この日の授業を通して、関係ないことにも種類があること、世の中で起こっていることに対して自分には関係ないと思わないことを学びました。
授業の最後に、生徒たちに「選挙に行かない大人へ」というテーマで作文を書いてもらいました。
その中で出た彼らの思いの一部を、ここに共有したいと思います。
「いい日本を作るよう努力する人を無視するのではなく、支えてほしい」
「政治についてただ批判するだけでは状況は変わらないのだから、きちんと快適な生活環境をつくれる人を選挙で選んでほしい」
「選挙権のない子どもたちのことを考えてほしい」
今回の授業は選挙に対する意識の問題だけでなく、彼らがこれから自身のモノの考え方を育てていく上でも通ずる部分があるはずです。
我々大人も、改めて自身の周りや世の中で起きていることに目を向けてみる必要があるかもしれません。
この日は「自分に関係のないこと」について考える内容でした。
授業の冒頭、原先生は少し前に注目された、
「自分に関係のないことに怒るのは時間が勿体ない」
という旨のツイートを紹介しました。
そのリプライには「好きなこと、好きな人のために行動する方が良い」
というようなコメントも寄せられていました。
では、「関係のないことに時間を使うこと」は必ずしも勿体ないことなのでしょうか?
また、自分には関係のない問題には関心を持たないことや、人を批判しないことは絶対に良いことなのでしょうか?
授業では次に、こんな例え話が紹介されました。
ある国では、右手にホクロがある人は収入の半分を納税することを課す法律があった。
その国の人口のうち、右手にホクロがある人口は全体の約10%である。
ここまで話を聞いた生徒たちが抱いた感想は、
「条件の該当者は嫌な気分になりそう」
「当てはまらない9割の人はホッとしてそう」
といったものでした。
この例え話には、続きがあります。
ある日、この法律の納税額を収入の半分から3/4に引き上げるという改案が出された。
政府は、この改案を成立するかどうかを国民の投票に委ねることにした。
選挙は終わり、投票の内訳は以下の通りであった。
改案に賛成した右手ホクロなしの人・・・30%
改案に反対した右手ホクロなしの人・・・10%
改案に反対した右手ホクロありの人・・・10%
棄権票 ・・・50%
こうして選挙の結果、賛成票と反対票は、3:2で改案は可決された。
「もし棄権票を選んだ人が、少しでも法律におかしさを感じて反対に投票していれば、この改案は無くなっていたかもしれません」
という言葉でこの話は締めくくられます。
ここで、話を最後まで聞いた生徒から
「棄権票が50%なんていくらなんでも高すぎない?」
という疑問が示されました。
実は、この棄権票の割合はそこまで高いものではないのです。
2020年に行われた東京都知事選の投票率は55%でした。
また、同年に行われた八王子市長選挙の投票率は31%です。
ある調査によると、日本人が選挙に行かない理由として、最も多いのは「自分が投票しなくても政治に影響はないと思うから」だそうです。
アメリカ公民権運動で活躍したキング牧師の「最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である」
という言葉が胸に刺さる人も多いのではないでしょうか。
この日の授業を通して、関係ないことにも種類があること、世の中で起こっていることに対して自分には関係ないと思わないことを学びました。
授業の最後に、生徒たちに「選挙に行かない大人へ」というテーマで作文を書いてもらいました。
その中で出た彼らの思いの一部を、ここに共有したいと思います。
「いい日本を作るよう努力する人を無視するのではなく、支えてほしい」
「政治についてただ批判するだけでは状況は変わらないのだから、きちんと快適な生活環境をつくれる人を選挙で選んでほしい」
「選挙権のない子どもたちのことを考えてほしい」
今回の授業は選挙に対する意識の問題だけでなく、彼らがこれから自身のモノの考え方を育てていく上でも通ずる部分があるはずです。
我々大人も、改めて自身の周りや世の中で起きていることに目を向けてみる必要があるかもしれません。